NICUの新人看護師を対象とした
移行支援プログラム
TSP-NICU
(Transition Support Program)
TSP-NICUとは
TSPは「Transition Support Program(移行支援プログラム)」を略したものです。
TSP-NICUは、看護基礎教育ではほとんど扱われていないNICU看護について、新人看護師(初任者)を対象に、NICUでの臨床実践に必要な基礎的な知識を、系統的に学習できるプログラムです。NICU看護を専門とする小児看護看護師(CNS)でDNP [Doctor of Nursing Practice]の井出由美(昭和医科大学病院総合周産期母子医療センター)が開発しました。
このプログラムは、NICUに配属された新人看護師の方に、NICU看護について系統的に学習する機会を提供し、看護基礎教育および新人看護職員研修と臨床実践の乖離を埋め、NICUの臨床現場にスムーズに移行できるよう支援するものです。
他分野の臨床経験ののち、NICUに配属された方にもご活用いただくことができます。
TSP-NICUの特徴
TSP-NICUでは、基本的な原理原則の学習を重視し、特に以下の点に重きをおいています。
①基礎的な知識・技術・態度を教授した上で、OJTに繋がる演習で、実践に結びつけていく
②精度の高い技術が求められる内容
➡感染予防行動・薬剤
③実践頻度の高い内容
➡パルスオキシメーター・シリンジポンプ・経管栄養
④特有の医療機器
➡保育器・経皮的ガス分圧モニター・搾乳器
⑤不安や困難を感じやすい場面
➡保育器内でのケア、直接授乳、家族とのコミュニケーション
⑥Intensive Careのみに偏らず、NICUでの重要な概念を学習
➡Family-Centered CareやDevelopmental Careなど
⑦ケーススタディにより実践場面を具体的にイメージし、アセスメント力の強化
⑧関連したインシデント事例の紹介を織り交ぜ、安全意識の向上
また、2014年に厚生労働省から示された「新人看護職員研修ガイドライン改定版」との整合性に留意するとともに、2022年に発表された「日本新生児看護学会版NICU看護師のクリニカルラダー」の「ラダーI」レベルの到達を支援するカリキュラムとしています。
なお、TSP-NICUにおいて対象とする患者状態は
・修正30週以降、体重1000g以上、保育器収容児
※呼吸器管理のレベルは、非侵襲的人工呼吸器管理まで
としています。
TSP-NICUの導入をお考えの方へ
TSP-NICU の採用施設は、7年目を迎えた2025年度は7都県に広がり、全国9施設の計45名が受講中で、受講者はのべ121名となりました。
TSP-NICU は、個人的な自己研鑽ではなく、施設内の研修プログラムに採用してもらうことがポリシーです。
TSP-NICU の普及は、単に研修の実施にとどまらず、NICUという社会インフラの維持に貢献する人材育成改革となることをめざしています。一緒に取り組んでくださる施設を募集しています。
NICUでお仕事をされている方
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教育担当の方
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看護部長の方
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